しのびよる貧困国家への道 


3・11東日本大震災以来、なんか政府がおかしい、そしてそれをチェックするはずのマスコミももっとおかしいと感じている人はいませんか?

原発の汚染水問題やTPP、憲法を改正しないで集団的自衛権の解釈を変えようとしている問題などなどなんかおかしいとは、感じながらも私一人が何かしてもどうしようもないので何もしていないという人も多いのではないでしょうか?



実は、9・11のテロがあって以来、政府やマスコミが流す情報をそのまま信じ、愛国者法の成立を支持し、イラク攻撃を支持してしまったアメリカ国民は、その後アメリカに起こった大きな変化に、今、9・11の後にしっかり自分の頭で考えずに現在のアメリカを招いてしまったことを後悔しています。
しかし、愛国者法によって人権を制限され、上位1%の超富裕層が人間が99%の人間に負担をすべて押し付けて異常な利益を手にする狂った現状を元に戻すことは容易ではありません。



9・11後のドサクサで成立してしまった愛国者法には、当初から下記のような人権を制限されるリスクが一部の識者からは指摘されていましたが、ほとんどの国民はその指摘に無頓着だったのです。


・入国者に対し無期限の留置が可能な権限を与えている
・司法当局によって行われる管理権者の承諾無く行われる家宅捜索こっそり忍び寄り盗み見る」調査をできるようにしている
連邦捜査局に対し令状抜きで電話、電子メール及び信書、金融取引の記録を利用することを拡大して認めている
・図書館の帯出記録や所得情報を含めて司法当局が調査できる
ウィキペディアより)


大きく変貌しつつあるアメリカの現状を変えてほしい、超富裕層ではない普通のアメリカ国民がそんなことを切望していたときに「チェンジ!」というスローガンとともに現れたオバマ大統領は、救世主のように感じ、アメリカ国民は熱狂的に支持して初の黒人大統領が選ばれました。

しかし、オバマ大統領が就任しても、結局は何も変えられない、そんな現実を突きつけられているのが今のアメリカです。


アメリカの1%対99%という狂った仕組みは、想像を絶する経済力をつけた経済界が政治と癒着する「コーポラティズム」と呼ばれています。

9・11をきっかけに加速し始めたコーポラティズムは、大幅な規制緩和とあらゆる分野の市場化を進め、この10年でアメリカの貧困層は3倍に拡大しました。

TPPはアメリカが日本に押し付けようとしているのではありません。
巨大な経済力によってアメリカの政治家を裏で支配している1%によってアメリカ国民が貧困大国に追いやられ、今度はその仕組みをTPPによって日本を含む交渉参加国に押し付けようとしているのです。

以前にここでご紹介した「株式会社貧困大国アメリカ」の著者堤未果さんが、
「政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること」

という著書でこの構造をすべて明らかにしてくれています。

堤さんが取アメリカで取材中に何度も言われたのは、「アメリカを見ろ、同じ過ちを犯すな」という言葉だそうです。

3・11東日本大震災を英語教師として日本で経験し、原発事故後に日本政府の発表を聞いた彼女は、9・11後、イラク戦争を仕掛けたアメリカ政府の発表と同じ違和感を感じたと言っています。

イラク戦争は、政府とマスコミが始めた戦争です。でも今思えば、結局それを後押ししたのは私たち国民だったと思うのです。
あの時私たちが、テレビや新聞を鵜呑みにせず、立ち止まって冷静に自分の頭で考えさえしたら、と」

この言葉は、今おかしいと感じている様々な問題に対し、しょうがないといっている私たち日本人が、10年後に言っている言葉なのかもしれません。

私たちに残されている時間はあまりありません。

この21日に、TPP交渉に参加する12カ国の主席交渉官会合が終了しました。TPPの年内妥結に向けた重要な会議だそうです。
私たち国民にはその具体的内容は、ほとんど知らされていません。

日本の新聞を見ていてもTPPは農産物に関する関税撤廃が主な問題のような印象を与えられますが、本当は国の仕組みを根本的に変えられてしまい、日本独自に薬価や医療費を決められなくなって世界に誇る国民皆保険が崩壊する危険をあなたは知っているのでしょうか?

TPPが妥結してしまう前に、ぜひこの本を読んでいただきたいと思います。

政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること 角川SSC新書 [新書] 堤 未果 (著)

http://amzn.to/15lByK2



アマゾンのカスタマーレビューで最も多くの人が参考になったといっている物をここにご紹介いたします。


★★★★★「真実を見抜く目」を持つために

2011年3月11日の夜、著者の堤未果さんはサンフランシスコに住む友人から、次のように警告されたことをはっきりと覚えているそうである。「気をつけて。これから日本で、大規模な情報の隠ぺい、操作、統制が起こるよ。旧ソ連アメリカでそうだったように」(p.213)。実際、堤さんがインタビューしたNY州ブルックリンでケースマネジャー(医的症例管理者)をするジョナサン・シュルツ氏も「3.11後の日本政府の対応は、9.11後の米国政府とそっくりだ」と言う(p.21)。そして、歴史学者ハワード・ジン氏は語っている─政府や権力者は嘘をつくものです─と(p.91)。

 ジャーナリストである著者は、様々な取材活動を通じて、2001年9月11日に起きた「米本土同時多発テロ事件」以降における米国社会と、「3.11」後の日本を重ね合わせ警鐘を鳴らす。思えば、米国は「9..11」を契機に「愛国者法」が施行され、ネット監視が異常に強化されたが、日本でも“行政指導”の形で同様の流れになっている。政府によって《原子力村》は温存され、史上最悪の原発(放射能)災害を引き起こした東電は権力に護られ、抗議する者は排除され、場合によっては逮捕されている…。無論、既成のマスコミの殆どは《原子力村》の代弁者に過ぎない。

 その他、当書では「ショック・ドクトリン」や「コーポラティズム(政府と企業の癒着)」や「グローバリゼーション」などの問題も摘出している。例えば、東日本大震災後における「特区構想」や「TPP」なども、こうした文脈で“裏の意味”が判る。震災後、少なくない人々が気付いたはずだ─権力(政府)は必ず嘘をつく、と。
「9.11」では《戦争ビジネス》が、「3.11」では《原子力村》の実態が明らかとなった。「どちらもシステム維持のための強力なプレイヤーは、政・官・民・学とマスコミ、そして私たち国民の思考停止」である(p.208)。私たちは真実を見抜く目を持たねばならない。




■今週の注目Blog&記事■



グローバル化、IT化◆


●40代の”成功”と”失敗”を分かつもの
東洋経済ONLINE
http://toyokeizai.net/articles/-/19638





◆日本はどこに行くのか?◆

●太平洋 放射能 汚染10年間予想図
兵頭に訊こう
http://m-hyodo.com/atomic-energy-21/