誰もがノマドになる時代?

 先週取り上げたグローバル化とともに最近よく聞く言葉に
ノマド」があります。

あなたは「ノマド」を知っていますか?

kotobank.jp http://kotobank.jp/word/%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%83%89
 によると

ノマド(nomad)は、英語で「遊牧民」の意味。近年、IT機器を
駆使してオフィスだけでなく様々な場所で仕事をする新しい
ワークスタイルを指す言葉として定着した。このような働き方を
ノマドワーキング、こうした働き方をする人をノマドワーカー
などと呼ぶ。」

ノマド誕生の背景には、情報化社会とそれを支える技術の進歩
がある。近年ブロードバンドが普及し、無線LAN(ローカルエリア・
ネットワーク)を使える場所が増え、外出先でインターネットを
利用できる環境が急速に整ってきた。クラウド・コンピューティング
を利用することによって、自宅のパソコンだけでなく、スマート
フォンなどを使って、喫茶店や移動の車内などでも仕事のデータ
にアクセスできるようになった。遠く離れた人と意見を交わしたり、
様々な情報を手に入れたりすることも、容易になった。また、
産業構造の変化により、仕事の質ややり方も変化し、様々なスキル
を持つ人たちが会社の枠を超えて参加するプロジェクトが増えて
きていることも、要因の一つである。
このような時代の変化の中で、会社に属さずとも、IT機器と人的
ネットワークを活用して、その時々の仕事に適した場所を移動
しながら、従来よりもスピード感をもって仕事をしている人が、
ノマドの実践者としてメディアで紹介されるようになってきている。
新しい働き方で自分の仕事をより進化させるだけでなく、これまで
できなかったことを実現したり犠牲にしていたものを取り戻したり
するなど、従来型の会社勤めよりも自由な生き方として描かれる
場合も多い。小さなコンピューターを操って多くの仕事をこなす姿は
スマートで魅力的だが、IT機器を使いこなすスキルだけではなく、
積極的な情報取得や仕事の配分のコントロールといった自律が
求められている。ノマドは、単にオフィスを持たないフリーランス
の仕事人を指すのではなく、その可能性に注目した言葉と言える。」


「オフィスのない会社」「働く場所を自由に選択する会社員」、
満員電車や残業から開放され、自分の時間を増やす豊かな働き方
などと言われるととても魅力的に感じますがあなたはどのように
思いますか?


「それってあこがれるな?」というひと、「そんなの自分には
関係ない」という人、様々だと思いますが、どうも時代はみんな
ノマド化させる方向に動いているのかもしれません。

東洋経済の「1億総ノマド時代の歩き方」
http://toyokeizai.net/category/all-nomad

を参考に見ていきましょう。



『望むと望まざるにかかわらず、誰もがノマドになる時代』

経済学者のジャック・アタリは、将来、誰もがノマドになると
書いた。ノマド論が注目されたのは、このアタリの指摘からだろう。
国家のプレゼンスが低下していく中で、人々は簡単に国境を越えて
移動し始める。海外移住や国際結婚も当たり前になった。

この流れを受けて、企業もまた、ノマド化していく。具体的には、
本社が海外移転したり、人材が国境を越えて移動したりしていく。
どの国の企業なのかわからなくなっていくのだ。たとえば大石哲之
氏は『ノマド化する時代』において、アクセンチュアが本社を
アメリカからバミューダ、そしてアイルランドへ、まさに世界を
遊牧するように移転させたことを例に挙げている。」


日本の中にいるとこんな世界は自分には関係ないと思ってしまい
ますが、DCECで世界中の人たちの面接をし、世界中の人達と仕事を
していると、日本人以外は国境を越えて仕事をしたり生活をしたり
するのがごく当たり前になっているのをすごく感じます。


では、ノマドになるのは幸せなことなのでしょうか?


このノマド、ある意味では個人に企業や国境に縛られずに活躍
できるチャンスがやってきたと見ることもできますが、その様な
チャンスを得られるノマドはごく一部に限られ、逆に悲惨な目にあう
ノマドもこれから増えてくるのだそうです。

また、「1億総ノマド時代の歩き方」からみてみましょう。


『ハイパーノマドと下層ノマドを分けるもの』

ノマドと一言で言っても、さまざまだ。アタリは、ノマドには
3種類あると指摘する。まずは、世界を股にかけて活躍する、
クリエイティブな能力を持ったハイパーノマド。彼らはその能力を
買われて、国境を越えて移動し、成功を収める。

対極にあるのが下層ノマド。こちらは、国内では仕事が見つからず、
生きるために移動を強いられる層。今でもすでに、多くの海外地域に
おいて、日本から社員を派遣、駐在させるのではなく、日本人の
現地採用が行われている。

そうした現地採用の社員に対しては、現地の生活水準に合わせた給与
しか支払われない。こうした下層ノマドも、今後、増えていくだろう。
いや、数年後、これを読んでいるあなたがそうなるかもしれない。

その中間とも言えるバーチャルノマドは、ハイパーノマドにあこがれ
ながら、ノマドになれない定住民。インターネット上だけでも、
ノマドな雰囲気を感じていたいという層だ。

この層もまた、下層ノマドと同様、海外の労働者との競争に巻き
込まれる。彼らは下層ノマドになることを恐れながら、バーチャルな
ノマドの世界に浸っているのである。事実、先に触れたファースト
リテイリングの世界同一賃金など、正社員という立場を手に入れて安心
していたら、一夜にして海外市場に投げ出されてしまう。まさに、
下層ノマドの予備軍なのだ。」


いや?、恐ろしいですね。


ただここで言っている、ハイパーノマドになって世界で活躍し始めて
いる日本人がいる一方、新興国でプロフェッショナルとしてではなく
日本で仕事が見つけられずに現地の仕事を探している下層ノマドも増え
ているのも現実です。


遅かれ早かれ日本もその様な1億総ノマド時代にならざるを得ない
としたら、ハイパーノマドになれるように今から準備を進めていった
ほうが良いかもしれませんよ。


そんな世界のハイパーノマドと日本企業の働き方をまとめたのが、
ノマド社畜」 http://amzn.to/136rgLH

この著者は、イギリス人の大学教授と結婚して自身もロンドンの金融機関
で情報システムの品質管理とITガバナンスを担当している谷本真由美さん。

実はtwitter上では @May_Roma としてよく知られた人で電子書籍として
発刊したところあっという間にいきなりアマゾンKindleストアで1位になり
紙版として刊行されたもの。

twitter上ではかなりずばずば物を言うので人気があり、フォロアーも
かなり多い名物の一人。
この本に書かれていることは、日本の会社での働き方が世界からかけ離れて
いること、ハイパーノマドは本当のプロフェッショナルでなければなれない
ことなどが書かれていて参考になります。

それでもイギリスをかなり好意的に書き、日本を否定的に書いているなど
全ては共感できないのですが・・。




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