円安、インフレで日本再生できる? 私たちの資産形成は?

人気ブログランキングへ




アベノミクスで円安になり、株価が上がって安倍さんの株も上がっ
ているようですが、あなたはどうお考えですか?


今日はここで少し、現在の経済について考えてみます。

ではまず、アベノミクスとは何を指しえているのでしょうか?

はてなキーワードが簡単にまとめているので、それを引用いたします。



(ここからはてなキーワード
アベノミクス

安倍+「エコノミクス」の造語。

デフレと円高からの脱却、名目3パーセント以上の経済成長の達成などを
掲げており、これを実現するための強気な経済政策案が挙げられている。

主な内容

・物価目標(インフレターゲット)を2パーセントに設定し、日銀法の改正
 も視野に入れて大胆な金融緩和を行う。
財務省日本銀行、および民間が参加する外債ファンドを創設し、外債購
 入の方策を検討する。
・緊急経済対策を断行し、補正予算と新年度予算を合わせて切れ目なく経済
 政策を実行する。
・「日本経済再生・産業競争力強化法」(仮称)を制定し製造業の復活を
 目指す。
・日本の立地競争力低下による産業の海外流出を防ぐため、イノベーション
 基盤の強化や法人税の引き下げなどを行う。
メタンハイドレートレアアース泥などの海洋資源の開発に集中投資する。

(ここまではてなキーワード



ここで6つの政策が挙げられていますが、現在の円安・株高が起こっている
のはこの一番目の「大胆な金融緩和を行なう」ということと、「補正予算
新年度予算を合わせて切れ目なく経済政策を実行する」の2点が大きく影響
している様に思います。


この二つは短期的には間違いなく景気活性化の効果が期待できますが、私た
ち国民としては、長期的にどのようになるかを予想して自己防衛を進める必
要があります。


では、「大胆な金融緩和を行なう」とはどういうことでしょうか?

詳しく説明をしだすとそれだけでも本がかけるほどになってしまうので、
ここでは簡単にわかりやすくお伝えします。

日銀は、お金の流通する量をコントロールしています。もし、経済が成長し
てもお金の総量が変わらなければお金が足りなくなって経済成長がストップ
してしまうので、日銀はお金を刷って増やします。

一方、バブルのように景気が過熱しすぎるとお金の流通量を減らして、投機
などに回るお金を減らします。

今回、大胆の金融緩和を行なうとは、日本銀行券をどんどん刷って市場に
ジャブジャブお金を供給しますよということです。具体的には、日銀が日本
銀行券をどんどん印刷してそれで国債をどんどん買い取りましょうという
ことを行なってまいります。


そうなると、円を持っている外国人はどのように思うでしょうか?
2012年の1月時点で1ドルは76円台でした。

ところが、日本がジャブジャブ新しく一万円札を印刷して増やしていったら、
一万円のお札の総量が増えていくので、一枚あたりの価値は減ってしまいます。

したがって、価値が減っていくものを持っていたくないと円を売り、ドルや
ユーロを買う人が増えるため円安になります。結果、2月1日には
1ドル92円台まで円が安くなってしまいました。

1ドル76円と比べると2割以上値下がりしたことになります。

これは輸出企業にとってはとても助かります。

たとえば、200万円のトヨタの車を1ドル76円の時に輸出すると、

購入する人は$26,316支払わなければなりませんでした。
それが今は、$21,739で買える様になったわけですから、去年の1月に買う
のと比較して2割引で買える様になるので、買いたい人が増え輸出が増える、
輸出企業が喜ぶ、というのが今の状況です。

同時に日本国内の日本人の人件費は円で支払われますから、ドルベースに換
算すると2割低くなり、工場を海外に移転しなくてもすむ会社が出てきて、
雇用の海外への移転が止まるというメリットもでて来ます。

このようなことから、今まで円高で苦しんできた企業の業績が上がるだろう
という期待で株も上がっているといえます。


しかし今の日本は輸出と輸入がほぼ均衡している経済なので、輸出企業が喜
ぶ裏で苦しくなる企業も同じだけあるということです。私たちの生活から考
えると円が安くなると、まず原油を買うのに余計に円が必要になるので、
ガソリンが値上がりし、また電気やガス料金も値上がりします。

日本は食糧も大量に輸入している(カロリーベースでの自給率はたったの
39%。農林水産省Webページより)ので、食料も値上がりしていきます。

当然海外ブランドも値上がりします。

ということで、一人ひとりの国民にとっては負担が増大することにつながり
ます。

したがって、1ドル76円というのはかなり行き過ぎた円高だったので、
少し円安に戻るのは良いことなのですが、これが、1ドル100円を超えて
円安が進むと、私たちの生活への負担が増大し生活が苦しくなってしまい
ます。


また、怖いのは円が安くなる事の国内での影響です。
お札をジャブジャブ刷るのですから、国内でもお札がたくさん出回ると、
その価値が下がる、すなわちモノの価格が上がるインフレです。

でも、今回のアベノミクスではインフレターゲットを2%と設定しているの
だから多少のインフレは良いんじゃないの?

そんなふうに思っちゃいますよね。

実はここが非常に重要なところなので、よく考えて下さい。

何で今回、インフレターゲットを設定したのかというと、日本は何年もの
間物の値段が下がってデフレといわれています。物の値段が下がるとその
もの販売している会社の収入が減る、そうすると赤字になるから会社は
従業員をリストラしたり給料を下げたりする、その結果日本人の平均所得
は1996年以降減り続けている。

だから、物の値段を上げれば給料が上がるだろうということだと思います。

しかし、実際はそのようには絶対運びません。
日本人の給料が下がっているのは、物価が下がっているからという単純な
ものではありません。

たとえば、それは円高によって輸出が厳しくなった事も一つの大きな要因
です。また、同じく円高によって、日本人の人件費が相対的に世界の中で
割高になってしまったからというのも大きな要因です。

また、少子高齢化によって会社負担の社会保険料がどんどん膨れ上がって
きた結果、会社は負担の重い正社員を減らすようになったということも
一つの要因です。

つまり物の値段が下がったから給料が下がったわけではないのだから、物
の値段を上げても給料は上がらないのです。

景気がよくなるためには、みんながたくさんのお金を使うことが効果的
です。果たして、食料品や衣料品が値上がりしたら、みんなはより多くの
消費をするようになるでしょうか?物が値上がりしたら、かえってみな
節約するようになり消費が減ることでしょう。


したがって、物価の上昇を目標にしたらいけないのです。

え〜、まだ信じられない?


では、具体的なデータで検証してみましょう。
日本は1985年から89年はバブル景気でみな、バンバン消費しました。
ブランド品や高級外車などもたくさん売れました。

では、消費者物価は上昇していたのでしょうか?

日銀の金融研究所のデータを見てみましょう。



暦年 6大都市地価 株価 卸売物価 消費者物価 実質GDP
1980-84   6.5 11.0 3.1 3.9 3.1
1985-89   24.4 26.4 −1.5 1.1 4.5



出典:日本銀行金融研究所
「バブル期の金融政策とその反省」
http://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk19-4-8.pdf



なんとバブル期の1985-89は消費者物価は1.1%しか上昇せず、その前の
あまり景気のよくなかった1980-84の消費者物価上昇率3.9%を大きく
下回り、卸売物価など-1.5%と下がっているのがわかります。

物価上昇と景気は全く連動していないのがお分かりいただけるで
しょうか?


ところが、この二つの期間で大きく乖離しているものがあります。
そう、それは地価と株価です。

バブルの期間はこの二つが大きく上昇しています。

実はこれがポイントなのです。

物価が上がるのではなく、人は自分が持っている不動産や株が
値上がりすると、少しぐらいお金を使っても大丈夫と思いお金を
使うようになり、お金を使うから経済が活性化して景気がよくなる
のです。


ですから、このメルマガ読者のあなたはこれから物価上昇率ではなく、
土地や株価が上昇するかどうかをしっかりフォローしていく、そして
自分の資産管理でも株や不動産の値上がりが見込めるようなものを
取り込んでいくことが重要であることを意識していってください。









■今週の注目Blog&記事■


グローバル化


●日系工場でストライキが多発する本当の理由
日経ビジネス
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20130128/242915/?leaf_rcmd


●二大コンサルトップに聞いた日本の製造業の未来!
外国人役員を登用することはグローバル化の活路になるのか
現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34713


●“報道の自由度”日本53位に大幅後退
NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130130/k10015163951000.html

●日本、53位に急落=マリ後退、ミャンマー上昇−報道自由度ランク
時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013013000289&m=rss&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter





◆円安は日本にとっていいこと?


●今年後半、日本は制御不能の円安に突入する
『円安恐慌』の著者、菊池真氏に聞く
日経ビジネス
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130131/243106/?P=1


●1ドル=95円はもうすぐそこに!? 
懸念表明がないということは米国もある程度の円安水準を了解済みか
現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34757


●円安阻止へ日本包囲網を呼びかける韓国
日経ビジネス
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130129/243018/?mlp&rt=nocnt



◆◆◆◆◆
今週も最後までお読みいただきありがとうございました。






このブログで発信している情報は、まぐまぐから毎週メルマガでお届けしています。
こちらからご登録いただければまぐまぐから直接お届けいたします。

http://www.mag2.com/m/0000116393.html

ブログランキングに参加しています。
下のバナーをクリックしていただけませんか?
このブログのランキングが上がって沢山の方に読んでいただけるようになります。


人気ブログランキングへ
クリックありがとうございました。