まだまだ遠い、日本企業のグローバル化
20日の土曜日に、慶應義塾大学ビジネススクールの50周年記念コンファレンスがあったので出席してきました。
http://www.kbs.keio.ac.jp/50th/
400名が参加する盛大なコンファレンスで全体会議のあと、6つの分科会に分かれて、現在の慶應ビジネススクールとして重要と考えるテーマを議論していくカンファレンスで、前半の時間に3つの分科会が行なわれ、後半に3つが行われるという形で、各人が前半一つ、後半一つの合計2セッションに参加するかたちになっていました。
まずこの六つのテーマを見てみましょう。
それだけで、日本のトップビジネススクールがどのようなことを現在日本の課題と考えているのかわかるのではないでしょうか?
1.新たな時代を切り開く企業戦略・リーダーシップ
2.グローバル人材の育成
3.起業家という生き方
4.クールジャパンの可能性
5.グローバルビジネス:身の丈に合った日本企業の国際化とは
6.ビジネススクールの未来像 (ケースディスカッション)
いかがでしょうか?
このテーマをみるだけで、グローバルという言葉が直接含まれているのが二つあり、他のテーマも(グローバルな中で必要な)リーダーシップやクールジャパんなど国際化の中でのテーマだというのがわかります。
ビジネススクールとしても日本企業が如何にグローバル化していくかが、最大のテーマになっているのがわかるでしょう。
さて、私自身は、「起業家という生き方」と「グローバルビジネス」の二つのセッションに参加しました。
ビジネススクールのセッションは、実際のビジネスの事例などを基にしてディスカッションしていくので、ビジネス書を読むのではなく、そのビジネス書の登場人物が直接ディスカッションしていくようなイメージを持っていただければいいでしょう。
また、ビジネススクールの教授は企業に招かれて講演をすることも多いからか、話も楽しく、わかりやすいので純粋な理論を学ぶのと比べてとっつきやすく楽しめるのでいつも楽しみです。
「起業家という生き方」セッションも非常の面白かったのですが、やはりこのメルマガの趣旨としては「グローバルビジネス」で話合われたことをご紹介します。
やはり現在日本企業はどこもグローバル化に苦労しているようです。
パネラーの一人香港中文大学の牧野教授によると日本企業のグローバル化が進まない理由として
「心」の壁
「理」の壁
「熱」の壁
の3つを上げることができるそうです。
まず「心」の壁ですが、それは
経営者が既存の常識や考えを捨てて、新しいことに挑戦するのが重要だが、それが難しいこと
そしてグローバル化によってそのハードルが一段と高くなっている
自分の勝手知ったるコンフォート・ゾーンからの脱却が難しいこと
(ガラパゴス症候群など)
ということだそうです。
また「理」の壁とは、
・既存の理論や理屈が通用しにくい
・成功のパターンが見えにくい新興国ビジネス
・同業他社と横並びの行動
そして最後の「熱」の壁とは、
・現地のマネージャーや従業員へ、経営者のパッションやビジョンが伝わりにくいことだそうです。
しかし、現在のグローバルビジネスの課題は
60-70年代が「モノ」の海外移転
80年代は「知識」の海外移転
現在&将来が「熱」の海外移転のマネージが重要だそうです。
このテーマのパネラーには、香港中文大学の牧野教授以外に、慶應ビジネススクールの磯辺教授、ロート製薬の山田会長(CEO)、そしてベトナムでベンチャー企業A.I.Global Sun Partner Joint Stock Companyを起した石川創業者などが参加されて実際に経験されているグローバル化の難しさなどをディスカッションされていらっしゃいました。
そこでディスカッションされているグローバル化の難しさを聞いていると
・日本人と価値観が違う
・すぐに辞める
・要求をストレートに言ってくる
・「熱」が伝わらない
・日本人の強み「勤勉」「清潔」「ホスピタリティ」などが伝わらない
・現地で社長や幹部をやらせることができるような人材が育たない
などなどと言っています。
また、話が楽天やユニクロの英語公用語化の話しになるとどうも否定的で、日本語を話す外国人を採れば良いというようなことをいう人もいて、さすがに我慢できなくなり挙手をして発言を求め反論しました。
Dela Cruzは今6カ国の人間が一緒に仕事をしています。
当然コミュニケーションのツールは英語です。
英語で6カ国の人間が一緒に仕事をする事で、デラ・クルーズは今まで挙げられていたような問題はほとんどありません。
逆に英語で仕事をしていることで大きなプラスもあります。
日本の大企業は、日本語を話せない外国人を採用しないので、日本で仕事を見つけようとする優秀な外国人がなかなか採用されないおかげで、Dela Cruzのような小さな会社でも優秀な人材が採用できます。
外国人社員でも7年も8年も勤めています。
6カ国もいればそれぞれの国の価値観が違うのが当たり前だけれども、英語で6カ国人で仕事をしていれば、自国の価値観を前面に出して主張する事もないし、日本の会社なのだからと日本の価値観を説明すれば理解して受け入れ、勤勉、清潔、ホスピタリティなど最高。
フィリピンに子会社を作ったけれどもその社長を任せられる人材は何人もいる
やはり日本の会社のグローバル化には、英語で仕事をして外国人を分け隔てなく処遇することが必要なのではないでしょうか?と主張しました。
チェアしていた教授は、そんなに外国人が多いのは特殊なケースですね。
と言うようなコメントをして、時間がなくなってしまいディスカッションは深まらなかったのは残念でした。
たしかにデラ・クルーズのGV達も要求をストレートに言ってきます。
しかし、きちんと話せばきちんと理解して一緒の仲間として頑張ってくれているのは、GVたちと接しているラーナーさんたちだったらみんなご存知のことです。
この議論を通して、なぜ日本企業がなかなかグローバル化できないのか、わかった気がしました。すなわち、外国人と分かり合えるまできちんと話をしていないということなのでしょう。
デラ・クルーズでは外国人社員を信頼していますし、彼/彼女達も会社を信頼してくれています。
そのような関係を構築するためには、時にはかなり激しいやり取りも行なってきました。
(普段の優しいガヴァネスしか見ていないラーナーさんには想像できないでしょうが・・・。)
このように書くと、それではきっと相当な英語力が無いとだめだろうと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
DCECをスタートしたばかりの頃は私自身英語がなかなか口から出てこないこともありました。でも誠意を持ってきちんと話せば話は通じます。
今回のコンファレンスに参加してわかったこと。
日本企業のグローバル化はまだまだであること。
そしてきちんとグローバル化するためには、外国人社員ときちんとコミュニケーションできる環境をつくり理解し合えるまでしっかり話すこと。
いかがでしょうか?
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●【 福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】
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「復興予算の流用問題」をスクープしたフリーランス記者・福場ひとみ氏は
どうやって「泥棒シロアリ役人の悪行」を見抜いたか
ニュースの深層
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●「救国緊急対談!誰が小沢一郎を殺すのか?」ウォルフレン×上杉隆 1
YouTube動画
http://youtu.be/jSyjIlgnSS8
「救国緊急対談!誰が小沢一郎を殺すのか?」ウォルフレン×上杉隆 2
http://youtu.be/siK7x0FevHo
◆マスコミがマスゴミと言われるような記事が続々
先週お勧め書籍の欄でご紹介したニューヨーク・タイムズ
東京支局長のマーティン・ファクラー氏の記事が日経ビジ
ネスに出ました。
(ただその後、なぜか削除されたので魚拓版です)
●外国人ジャーナリストが驚いた日本メディアの惨状
日経ビジネス
http://bit.ly/V1gng3
●軽減税率をねだる読売社説の恥知らず
永田町異聞
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-11383043528.html
●扇動メディアに支配される社会
『日本は選ばれた人間である我々によって白にも黒にもなる』
:民間放送連盟会長
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=269651
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今週も最後までお読みいただきありがとうございました。
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