危機管理に大切な正確な情報収集

 今日は今回の地震にあたって危機管理について考えてみたいと思います。

今回のように大きな災害に襲われ、特に命にかかわるような状況においては正確な情報の確保が一番大切であることは言うまでもありません。

今回の地震で、多くの方が経験されたと思いますが、このような大規模災害時においては電話はほとんど通じなくなります。
家族や社員の安否を確認したくても、被害が大きい地域ほど電話が通じなくなり、不安が募ることになります。

今回災害用の伝言ダイヤルを活用しようと伝言ダイヤルに電話した人もいて、さすがに準備が行き届いている人がいると感心したのですが、彼女によると伝言を入れようとその番号にかけたらお話中でなかなか通じなかったとのことでした。

そして、DCECでも最初は携帯のメールを送ろうとしましたが、これもだめでした。

電話やメール、伝言ダイアルもつながらない中で、今回連絡を取るのに活躍したツールがありました。
それはFacebooktwitter,そしてSkype
これらの新しいNetツールは、地震直後でも通じていて情報のやり取りが出来ていました。

DCECのガヴァネスたちは、Facebookで連絡を取り合い、Skypeで国の家族と連絡を取り合って無事を報告していました。

したがって、もしネットにつながる環境下にあるのであれば、これらのツールが強い武器になるので、ぜひあなたも今のうちに使い方をマスターしておいたほうが、危機管理に役立ちます。

twitterは今まで何回もこのメルマガで使い方をお伝えし、Facebookもかつて簡単にお伝えしましたが、また、近いうちにFacebookの使い方もこのメルマガでお伝えすることにいたします。


 さて、ここまでは連絡を取り合うツールについて話してきましたが、もう一つ重要なのが、災害時の様々な状況についての正確な情報を手に入れることです。

今の地震震源はどこなのか? 
マグニチュードは?
津波は?

ほとんどの人はテレビのニュースなどで情報を取っています。

もちろんそれが情報取得のメイン手段になるでしょうが、今回の原発事故の状況を見ているとこの非常時にかかわらず、菅政権、そして日本のマスコミが信用できないのが心配になります。

福島第一原発が非常に危ない状況になっているのはご存知の事と思いますが、この経過を見ていると危機管理が全くなっていないのを感じて心配になります。

まずテレビで一号機の建屋が吹き飛んだ映像が流れたので心配して、枝野官房長官の記者会見を見ていました。すると、爆発から2時間以上経っているにもかかわらず、爆発したこともはっきりと認めず、今、分析しているとのことで、その危険を国民に一早く伝え国民を危険から救おうとの姿勢は感じませんでした。

結果的にそのときの爆発で民間人が被爆しております。

また、被爆がはっきりした後の記者会見では健康に被害があるようなものではないとの発表をしましたが、結果的に深刻な被爆であることがわかっています。


「双葉厚生病院の3人、「除染」後も高い放射線量」

12日に水素爆発が起きた東京電力福島第一原子力発電所1号機(福島県大熊町双葉町)から3キロ圏内にある双葉厚生病院の関係者3人が、同日に放射性物質を洗い流す「除染」後の検査でも高い放射線量の値を示したため、第2次被曝医療機関に搬送されていたことがわかった。

YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110314-OYT1T00308.htm


またその後の記者会見を見ていても、本当のところ何が起こっているのかなかなか判りませんでした。

一方、ネット上では、元東芝原子力発電所の設計者がフリージャーナリストのインタビューを受けている映像などが流れていました。

この内容を見ていると現在原発で何が起こり、どのような段階にあって何が危険なのか、官房長官の記者会見とは対照的に非常に良くわかりました。

また、原発事故は世界中の注目の的になっていて、アメリカだけでなく世界中のニュースがネット上に溢れています。CNNでは、早いうちから、現在の福島原発の状況はスリーマイル島事故の状況に近いことを警告し、爆発の映像なども流していました。

また、現在の状況に関しても、相変わらず日本の政府の発表は危機感薄いものですが、ニューヨークタイムズは、100Km離れた地点を飛んだ米軍ヘリが除染をしなければならないほど被爆していた事を伝えています。


Military Crew Said to Be Exposed to Radiation, but Officials
Call Risk in U.S. Slight
By WILLIAM J. BROAD
 
http://nyti.ms/gTCm6y

100Km離れたところでそれだけ汚染するような状況で、さらに3号機の汚染された蒸気を排出し、また爆発も起こった中で、本当に20Kmの避難でいいのでしょうか?

このような状況を見ていると、菅政権の発表とそれを垂れ流している大手マスコミの報道を見ているだけでは、自分の身が守れないでしょう。

しっかりネット上の情報と海外メディアのニュースを見ていかないといけないと強く感じています。


今回の福島原発の状況について私自身が集めた情報から判断すると、もし、200Km圏の人たちまで屋外にあまり出ない、外に出る場合は出来るだけ皮膚を露出しない、雨には触れない、室内にいる場合でもできるだけ外気を遮断するような配慮をする必要があるでしょう。

200Kmというと千葉、そして埼玉、東京の一部も含まれることを申し添えておきます。


ちなみにアメリカ大使館は東京から他の場所に大使館機能を移したことを発表し、また原子力資料情報室の福島原発に関する(外国人)記者会見http://bit.ly/gose8o で フランス人記者が『フランス大使館が在留仏人に「出来るだけ早く関東地方を離れるようにとアドバイスした」』と質問の中で述べたそうです。


YAHOO!ニュース

国務省は、日本の大使館業務を他の場所へ移管したことを明らかにし、「米大使館は日本政府と連絡を取っており、この恐ろしい惨事に対応するため、あらゆる支援を行う用意を整えている」と表明した。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110312-00000569-reu-int

後半にごまかされず「日本の大使館業務を他の場所へ移管した」という前半のコメントが重要です。