アメリカが危ない3( Shoさんからのレポート)

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今回、ラーナーのShoさんが先週のメルマガ「アメリカが危ない2」を読んでその感想、そしてアメリカに関するレポートを送ってくれました。実際生のアメリカの様子がわかり、非常に興味をひかれるので、お願いして掲載をご承諾いただきました。




今回のメルマガ、大変興味深く読まさせて頂きました。

アメリカが危ない2」 
http://d.hatena.ne.jp/DCEC/20101202/1291278959

私も、堤未香の「ルポ貧困大国アメリカⅡ」は読みました。
余り、レポートされない話ですので、私が現地へ訪問した時に聞きました。
特に、財政難に伴う教育費大幅削減が大問題と!!

一方、それをサポートする小売業界が存在しておりました。
「この商品を購入すると、一部〇%地元学校へ還元」と。
日本も後を追う経済社会ですが??

下記のメールは、米国在住23年、日本の高校を出て、現地の大学に18歳から在住現在に至る「翻訳業務&現地コーディネーター(ヘルス&ビューテイが専門)」のYuukoさんからのメールです。
主婦でありキャリアウーマンです。以前はラスベカスに住み、3年程前からロスに住んでいます。私がロス視察の際に現地情報を頂いてお世話になっている方です。

今回は、日本でも話題になっているBlack Friday レポートです。

現地レポート:Yuuko
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Black Friday 2010 (小売業界晴れの日、黒字の金曜日)

 米国の小売業界にとって、年末商戦の火蓋が切っておとされる日が11月の第四木曜日にある感謝祭休日の翌日金曜日です。この日は小売業の売上が黒字になることからこのように呼ばれるようになりました。感謝祭は殆どの小売業が祝日閉店し、金曜の早朝から開店します。Targetの開店は午前4時、Wal-Martは場所によっては午前0時からオープンしましたが、売り出しは午前5時スタートでした。K-Martも午前5時開店から店が開きました。

 2010年度は212ミリオンの買い物客(2.12億人、2009年度は198ミリオン)が感謝祭を入れた4日間の週末に買い物をしたそうで、一人当たりの支出額は昨年より平均で$22多かったそうです。この中の10%以上の人々は午前0時から買い物のために並んだそうで、これも昨年の3%を3倍も上回りました。実はこのBlack Fridayを含む感謝祭連休明けにも、もう1つCyber Monday(サイバー・マンディ)というオンライン上での売出しがあり、今年は全米で106ミリオン以上(1.06億人)がこのCyber Mondayで買い物を行なったそうで、実は私もそのうちの一人に入ります。その理由はこれからのレポートで明らかになるのですが・・・。

 今年もBlack Fridayショッピングの準備態勢の為、感謝祭のディナーの後は早めにベッドに入り午前3時起床し、30分後には各店舗へ向かうために車を走らせました。

 先ず最近P-Freshを採りいれ改装したばかりのTargetに到着しますと、既に店の建物の側面半分にそって長蛇の列が出来ていました。
ロックのかかった入り口前にはパトカーが2台停まり、ポリスも出動の厳戒態勢です。夜明け前の気温は6度、多くの人々は厚手の上着を着込み寒さに震えていました。開店10分前に店のスタッフが現れて、売り出し品目の写真とその場所がアルファベットで記されているマップを配り始めました。そして4時の開店時間には人々が殺到して雪崩れ込まないように、ポリスや店のスタッフが目を光らせて、1つの入り口のみから少しずつ客を中入場させました。

 開店15分後には通常に全ての扉が開き、残りの人々が店内に入りました。
 Door Busterと銘打ったBlack Friday限定特売商品の側には身動きが取れないほどの客が押し寄せています。

 次に私は息子がクリスマスプレゼントに希望するi-touchを買うべくWal-Martに向かいました。今年のWal-Martの特売で注目されるのはこのi-touchの最新バージョン$225で販売(アマゾンでは$220)し、それに$50のWal-Martのお買い物券をつけるという破格の安値と、エマーソン社の32インチHD TVが$199でした。残念ながらi-touchを手に入れるには皆午前0時からリストバンド型の整理券を貰うために並び、整理券は既に午前2時に配られたそうで〔店の人に聞いたら商品は80個しか用意されていなかったそうです〕私が行った時点では手遅れ状態でした。ということでさっさと諦めて、後日Cyber Mondayで同じ物を購入することに決めました(Amazonのオンライン売り出しでは、郵送費も消費税もフリーで$214ポッキリでした。
もしWal-Martで購入していたら$225に税金が10%かかり、合計$247.50だったはずです。)

 Wal-Martで買い物をして気が付いたのは、Project Impact以来ご無沙汰だったアクション・アレー〔島積み陳列〕の復活です。
実は売り出しの2日前に下見で行った際にはこのアクション・アレーの塊を黒のビニールでぴっちりと包み、外にBlack Friday売り出し用と書かれてありました。こういうのを見るだけで消費者の気をやきもきさせてしまうという演出だったかな?とも想像できます。

当日は午前5時の売り出しと共に店員がばりばりとこの覆いを引き破り商品を顧客に見せておりました。

 最後にK-Mart〔スーパーセンター型のBig-K〕に行きましたが、客足もなぜか遠慮がち、売り出し品目も今1つ時代の先端から外れているような気がしたのは私だけではないと想像します。

 補足ですが、チープカジュアル衣料品で有名なフォーエバー21の前には7時開店の1時間前から若者が長蛇の列を作っていたのが印象的でした。
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(ここからShoさんご自身のレポート)

また、私が今年の9月にアメリカ西海岸エリアに行ったときのレポートの一部です。
 ロス在住のYuuko氏、サン在住のAsano氏に各々現地で合流して約10日間程、約40店舗程の地域を周りました。

<2010年9月アメリカ・ロサンゼルス・サンフランシスコ・サクラメント訪問時のレポートから>

・訪問時、現地コーディネーターに「現在のアメリカで最も重要な焦点は何ですか?」伺うと、即「雇用の安定!」。
8月全米平均失業率9.5%(前月比+0.1p、09年9.3%、08年5.8%)だが、カリフォルニア州12.3%(19ヶ月連続)と戦後最長、最悪の記録を更新しているとの事が最たる背景。失業者は1,486万人。
「Shoさん、モデルルームのリクエストをもらっているが、大型開発は一向に進まず見つからないです」との事!リーマン・ショックから約2年目になるが、いまだに不況の真只中! 所得階層の二極化、中間層の減少。生活保護フードスタンプ受給者が6月6,080万人で、受給者は人口の13.6%。毎月36万人の増加。ウォルマートは1週間で述べ約1.3億人の買物来店で約20%が利用者とのこと。
(*生活保護フードスタンプ受給者数は、景気後退に入った07年12月から50%増加。07年12月2750万人)米国経済を支えるのは、GDP7割が個人消費。米家計は金融危機まで、住宅など資産価格上昇を背景に、消費者信用を利用して、旺盛な消費へ回した時代、”借金して消費時代”から”先行き不安から貯蓄、消費も慎重へ”入る。小売業も淘汰・再編が加速化。

・オーガニック市場、2009年前年比5.9%伸長。「100年に一度の金融恐慌といえ、昨年09年オーガニック食品は、不況にかかわらず売上伸ばす。企業の戦略として、オーガニック食品展開は重要なMDにかかわる。食品全売上の1.6%。カテゴリーによりシェア比率は大きく差がある。市場の約38%占める野菜・果物は11.4%、非食品のオーガニックサプリメント12.0%、シーツ衣類は10.4%、化粧品3.7%実績となります。購入先は、SM(Supermarket)、MWC(Membership Wholesale Clubの略で、大容量の商品を低価格で販売する会員制の大型店舗の事)で54%購入、ホールフーズなど専門店で38%購入となっています。調査結果では、厳しい時であっても、消費者は他の支出を削っても、健康に対して意識が高いことをしめす。

 Yuuko氏曰く、「現在、CSA会員の増加=地域に支えられた農業、400〜600?支払い、収穫期に毎週、その農家からオーガニック野菜をもらうシステム。農家は借金せず経営できる。コア顧客の獲得。農家から生産者直伝のレシピが満載したニュースレター。
日本でも同様な市場が拡大している様子。

・サンフランシコダウンダウン地区のテスコ・フレッシュ&イージー出店予定地を視察。この出店地は、フードデザート(食の砂漠化)指定地。現地コーディネーターAsano氏曰く、フードデザートとは、「安価で良質な生鮮食料品購入することが困難な貧困地域」。
「米国政府では、約2,350万人住民(子供650万人)がフードデザート地域。フードデザートが、子供肥満の原因、住民の糖尿病、慢性疾患の多い。この地域は、失業率が異常に高く、低所得者層が多く住んでいる。ダウダウン(中心街)のアーバン地区(都市部)やサーバン地区(田舎)では、治安が悪い為、出店が厳しい。過去出店しても撤退。「店内で、勝手に食べ物を盗み店内で食べる。注意すると閉店後に、ガラス割られる。強盗に合う」「この地域は韓国系の小売店等々の店舗が多く、SM価格より1.5~2倍の価格で売る。最近、黒人のお客さんが、レジで1¢足らず買物して外に出たら、商店主にピストルで撃たれ死亡。大分世論でも問題になったとのこと」(談)。
又「フードデザート地区は、良質な食品が購入できず、ファーストフードに偏る食事になり、栄養不足と肥満増加へつながっているとのこと」。昨今、日本の東京のフードデートと話題になっているが、本質的に根底が違うようである。

 現在、大統領夫人のミシェル・オバマ氏が、児童を対象にした「肥満撲滅キャンペーン『Let’s move( 先ず、動きましょう!!)』」を立ち上げました。つまり、肥満増加の原因となるフードデザート地区の撲滅へ。今後、10年間にわたり毎年10億?の予算拠出。
そのうちフードデザート地区にSM出店誘致策として、年間4億? 
(雇用確保等々の条件もあるが、建設資金の〇%補助。税金10年間免除他)

 この間、ダラーストア(ダラーゼネラル)、ウォールグリーン、テスコ・フレッシュ&イージー等々が積極的に出店の意思表明している。今回の、テスコ・フレッシュ&イージー出店地区は黒人地区です。新規ビルの1階出店。確かに、車で周辺を回ったが、歩道に多くの屯しており、少し危険性を感じた!全員がそうとは思わないが、現地コーディネーターAsano氏曰く「なるべき視察を避けてほしい」とのこと!

 出店時には、多くのマスコミでも取り上げたり、カリフォルニア州知事、地元市長、中にはミシェル・オバマ氏が挨拶したりするとのこと!社会的貢献度は大きい!全米の底辺の広さを痛感した。
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Shoさんありがとうございました。
先週ご案内したアメリカが危ないを裏付けるようなさまざまな生情報で、なかなか外国からは見えないアメリカの実態をお伝えいただきました。



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