インターネットを通じて国民が検察に反撃

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先週のこの欄で国民の反撃が始まったということを書きましたが、先日ご紹介した反検察、反マスコミのでも以外にも具体的な行動を起こす人たちが出てきました。

それは、「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」。
ラテンアメリカと日本を拠点に活動する音楽家であり作家としても活躍している八木啓代さんが代表をつとめている会ですが、この会が村木厚子さん裁判に関して、前田元検事を特別公務員職権濫用罪で告発するための告発状を、最高検に提出したということです。


ここで、特別公務員職権濫用罪について少し解説する必要がありそうですね。


あの郵便不正事件で証拠品のフロッピーディスク(FD)を改ざんしたとして、最高検は、大阪地検特捜部元主任検事・前田恒彦容疑者を証拠隠滅罪で大阪地裁に起訴したのは皆さんご承知のとおり。

それに対して、先週ご紹介した元東京地検検事でネット上で現在の検察のおかしさを毎日発信している郷原教授のtwitterでのtweetを見てみましょう。


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一昨日の「可視化議連」で「前田検事は検察の構図とFDデータとの矛盾を知った上で、村木氏を逮捕した」と指摘し、事件の核心は証拠隠滅でも犯人隠避でもなく特別公務員職権濫用だと発言。 
朝日記事⇒http://bit.ly/9GFtIb によると前田検事が私の指摘どおり供述。

特別公務員職権乱用は、警察官、検察官等が職権を乱用して人を逮捕、監禁した場合に成立します。検察の構図破たんを認識して、敢えて逮捕したのであれば、同罪が成立します。
それが今回の事件の本質です。
しかし、FDデータとの矛盾を前田検事が報告しなかったと言っても、虚偽公文書作成の事件ですから、事件決裁で文書の作成経過とそれに関する客観的証拠を確認するのは当然です。
前田検事がFDデータについて嘘の報告をした、というのでない限り、地検幹部、高検、最高検の責任は免れません。
今回の事件は、特捜事件に関する検察のシステム自体の問題です。
「特別公務員職権乱用罪」という罪名がいつ見出しになるか。
郷原tweetより引用)
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証拠隠滅は、最高刑が懲役2年。これに対して、職権濫用罪は最高懲役10年の重罪だそうです。

すなわち、最高検は証拠隠滅でお茶を濁そうとしているわけです。
また、最高検の伊藤次長検事の記者会見で職権濫用財になるのではないかとの質問に対し、厚生労働省に復職した村木さんが告発などしないだろうという憶測の元、「まずは告訴、告発をしたら」というような答えをしたわけです。

この伊藤次長検事の見込み違いは、世がインターネット時代になっていた事でした。既存の大手マスコミは、そのような追求をしない中、この会見の最高検の「やれるものならやってみろ」的な挑発的言い方に反応したのが、ブログでも様々な情報を発信している八木啓代さんだったわけです。

今の日本のマスコミ、検察がおかしいと感じていた八木さんは、ネット上で呼びかけ、前田元検事を特別公務員職権濫用罪で最高検に告発しました。

いよいよ国民の具体的な反撃です。


そのときの様子を彼女自身がブログに書いているのでご紹介いたします。



最高検に告発状を出してきました」
八木啓代のひとりごと
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-535.html

すでに、Twitterなどでご存じの方もいらっしゃるかとおもいますが、市民団体が、村木厚子さん裁判に関して、前田元検事を特別公務員職権乱用罪で告発するための告発状を、最高検に提出いたしました。

この事件の本質が、単なる資料の改竄などではなく、前田検事がはじめから村木さんが無実であることを知っていながら、彼女を逮捕し、彼女が簡単に「自白」しないと見ると、有罪に落とし込むために、彼女の無実の証拠であったフロッピーディスクの日付を書き換えたということを考えると、怖ろしい事件です。

奇しくも、去る10月12日、国会予算委員会で、刑事局長が「冤罪には二種類あると言っている。無罪であると知りながら事件にする冤罪と、有罪だと思って事件にしたが無罪だったという冤罪です」と発言。

あの、それ、違うでしょ?
それって、市民感覚で考えると、前者は「それ自体が犯罪」ではないかと。

まさに村木さんのケースです。しかし、それが刑事局長や刑事部長の普通の感覚であるなら、実に怖ろしい。

私はミステリも書いたことありますけど、検察が「無罪であると知りながら事件にして、自分たちで勝手に作ったストーリーに合わせた供述調書に、自白のサインを強要し、それがうまくいかないとなると、証拠をでっち上げたり」したら、それって、それこそが「巨悪そのもの」じゃない。

にもかかわらず、前田検事の罪状は証拠隠滅罪で、有罪になったとしても、「二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金」という実に軽い刑だと知ったのもこの頃。これでは、検察官暴走の歯止めにはならない。

その後、村木さんの無罪を勝ち取った弘中惇一郎弁護士や郷原信郎弁護士からも、この件は、証拠隠滅罪ではなく、特別公務員職権乱用罪(6か月以上10年以下の懲役又は禁錮)を適用するべきではないか、という指摘がありましたが、検察は、一向にそのつもりはなさそうだと。

だって、それをやると、単に前田元検事の罪状が変更になるというだけの問題ではなく、大阪地検から高検、最高検の決済に至る流れのすべてが捜査対象になり、そもそも検察の問題を検察が自分で捜査するのはどうよ、という問題にまでなりかねないんですものね。

にもかかわらず、記者会見で、最高検の伊藤次長検事が、この件に関しての質問で、弘中弁護士に対し「まずは告訴・告発をしたら」と言ったそうで。
村木さんは無罪確定で職場復帰し、それも政府職員に戻ったので、さらに、検察そのものを相手取るような告訴はもうやらないだろうというのをわかっていての、「やれるものならやってみろ」的な挑発的言い方だった、とか。

......だったら、その挑発、受けて立とうじゃないの。

と、ぜんぜん圏外にいるにもかかわらず、勝手にぶち切れた私が、最悪一人でも決行する覚悟で、周囲の方々に呼びかけたら、「何を馬鹿なことを」「やめとけ」と言われるかと思いきや、意外にも、皆さんが続々と賛同。すぐに、口コミで弁護士や大学の先生なども手を挙げてくださり、とんとん拍子に告発状作成チーム結成。

さらに、サイトを立ち上げて呼びかけてみたら、海のものとも山のものともしれないこの団体に、全国各地から、驚くほどたくさんの賛同者の方が出てこられたのですね。住所氏名を出して、告発に参加したいという人たちが、なんと数日で、あっという間に20名を超えてしまった。

これが、わずか10日間ぐらいの出来事ですから驚きです。
この会ができたてで何の活動実績もないのに、これだけの人が期待し、動こうとしている。
それだけ、皆、おかしいと思っていたのです。かつてないほど。

そして、その告発状と告発人名簿を持って、最高検に直接出向いたのが11月1日。

これまた月曜昼という無茶な時間だったんですが、前日にTwitterで呼びかけただけで、6人もの「ふつーの人」が集まりました。
とはいえ、普通の勤め人には、急に言われてもとうてい参加不可能な時間ではありますから、来たのは、主にフリーランスばかりで、会社員の方は、急遽有給取ったという一名でしたが、ま、普通といって良いでしょう。

その中でも、特に「普通さ」満開だったのが、かの有名ブロガーのこの方。
http://d.hatena.ne.jp/tanu_ki/20101102/1288663419

というか、この日の参加者は、ほとんどブロガーさんでした。
ネット情報に敏感、というのもあるんでしょうが、「これは、既成メディアと検察の結託に対して闘いを挑む、ネットの反乱なんですよ」と定義づけられる方の一言も。おお、そうだったのか。

とか言いつつ、じつは検察庁がどこにあるのか誰も知らないので(爆)、とりあえず霞ヶ関の駅に集合して、地図で調べて、訊ねながら行くというお間抜け感あふれる行程は、もう素人っぽさ全開です。

その検察庁
明らかに、市民団体からかような本格的な告発を受けることを、まったく予測していなかった、突っ込み放題の対応ぶりでございました。詳しくは、ご同行の、他の社会派有名ブロガーの方たちのレポートをどうぞ。

誰も通らない裏道:最高検に告発状を提出 〜
「一般来庁者出入口」への道は遠かった
http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2010/11/post-419a.html

くろねこの短語:最高検に「特別公務員職権濫用罪」の適用をお願い
してみた。
http://kuronekonotango.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-0779.html

で、この間、せっかくなので、「霞ヶ関なう」を皮切りに、ツイッターで実況中継しておりましたら、前日の決行声明あたりから注目してくださっていたフリージャーナリストの岩上安身さんからダイレクトメッセージ。

ーいまどこですか? いまからですか? そちらに向かおうと思いますが...
ーあ、もう建物から出てきたところです。
ーじゃあ時間ありますか? Ustreamでインタビューしたいんですが可能ですか?

「皆さん、大丈夫?」
「岩上さんて、あの岩上さんですか」
「すごい」
「えー。まあ.....いいですよ」
「何喋ったらいいんでしょうねえ」(とか、しばしガヤガヤ)
私は、こういう展開になるなら、もっと服装とか化粧をキメてくれば良かったなと思ったが、もはや後の祭りである。(爆)

ということで、皆でのんびりお昼ご飯食べながら、岩上氏が大慌てで奔走していらっしゃるらしい中、連絡を待つ。「いや、あの係のおじさん、エノケン喜劇みたいでしたね〜」「まんまでしたよね〜」などという脳天気な会話がそこで交わされていたのを知ったら、あの人、気を悪くするだろうなあ。

それから地下鉄で、急遽借りられたらしい指定場所に向かい、インタビュー。
同行は良いですけど、顔出しまではちょっと、とか言ってた人も、いつの間にか入っているぞ。
とはいえ、なんせ急なので、会場はまだセッティング中。

「あれ、八木さん? え? なんで八木さん? え、代表??」

「ところでさ。なんで霞ヶ関に行ったの? 郵送にしなかったの?」
「え? 郵送でも良かったんですか?」
「.....あのね、普通は郵送にするんですよ。配達証明とか内容証明ってのはそのためにあるんだから」
「へー、そうなのかー」
とかいう脱力的会話のあと、インタビュー。

その前に、化粧直しのために化粧室に行こうとしたら、すかさず、岩上さんに「本当に(告発)出したんですよね。インタビューは、ウケ狙わないで真面目にやってくださいよ」と釘を刺される。私ってそういうキャラと思われていたわけね。(事前に正体を内緒にしていたのは大正解だったな)大丈夫。猫耳つけたりイブニングドレスでトイレから出てきたりしませんて。

平日昼2時。しかも10分前にツイッターで告知されただけというインタビュー。誰が見るんだと思いきや、リアルタイムで400人以上がご覧になっていたのには驚くほかありません。ここでも感じる関心の高さ。
(今見たら、視聴者5800人超えていました)

そして、その夜。
告発状をネットに公開しましたら、あの郷原信郎弁護士から「大変良くできた告発状ですね。これなら最高検もしっかり受け止めざるを得ないでしょう」とツイッター上で、早速、お褒めの言葉。

じつは、この告発文は、郷原弁護士がネットで公開された論考をかなり参考にして作成したものでしたので、この暖かい発言には大変力づけられました。翌日のニコ生でも有田芳生参議院議員郷原弁護士が、この件に言及してくださいました。

さらに日刊ゲンダイでも、田中康夫氏の結婚より上位の扱いで報道。
(ただし、予想通り、他の大手メディアからは黙殺されていますが)

しかし、告発状は提出されました。これは動かしようのない事実です。
そして、その告発状は、完璧に書式にかなった、法律的に不備のないものです。

上記詳細はこちらから(告発状のダウンロードやインタビュー視聴もできます) 
http://shiminnokai.net/news.html

最高検がどう扱うかが見物です。
(引用ここまで)


先日の尖閣ビデオYouTubeというネットを利用し、この告発もtwetterやブログ、そしてUstreamなどのネット上のツールで事態が進展しています。大手マスコミからネットメディアへと確実にシフトしているのが分かりますね。


この告発のその後も「八木啓代のひとりごと」でどうぞ。

「速報:告発書が受理されました」
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-536.html

「謎が謎を呼ぶ、この展開」
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-537.html

「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」サイト
http://shiminnokai.net/


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〜 なぜメディアはこの事実を一切、報道しないのか?」 
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http://sun.ap.teacup.com/souun/3618.html





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