またとないチャンスの時代!あなたのグローバル化を急げ!

先週、先々週と最近中国、インドが台頭し、世界がフラット化して欧米企業は中国、インドをシステムに組み込みうまく活用しているのに対して、日本は中国、インドに人件費競争を挑み、日本人自身の所得を減らしている事を見てきました。



先週、「日本はグローバル化を急げ!」ということを書きました。
それを読んでなんとなく、
「そうか。グローバル化をしなくてはいけないんだな」と思っていただいた方もいらっしゃると思います。

そこで、今週はグローバル化をするとはどうすればいいのかを一緒に考えてみたいと思います。


さすがに、日本の企業も国内の市場がどんどん縮小してきているので、このままではダメだということを気づいて動き出しています。

先週ご紹介した「東洋経済」から、いくつかの企業の取組をご紹介致します。



日産自動車

<グローバルリーダー育成>

・最高意思決定機関エグゼクティブコミィッティメンバー10人中
 5人が外国人
・ゴーン社長の直轄組織(NAC)がリーダー育成を統括
・NACで次世代リーダーに登録された人材は、国・地域や部門の枠を超えた異動やプロジェクトの責任者に任命されマネジメント能力育成


これを見ると、英語でコミュニケーションできない人は、日産ではエグゼクティブコミィッティメンバーになることはおろか次世代リーダーも務まらないのがわかります。


ブリヂストン

<グローバル・デベロップメント・クラス>

・2年間の研修プログラムで360度評価のアセスメントを受け国際間の異動も必須。



日立製作所

<総合職の50%を海外経験を持った人材にする>

・海外人員を毎年1万人ずつ増やす
・若手中心に今後3年で2000人を海外に送る
・3年間で海外売上高比率を41%から50%に引き上げる
・新人も最低1ヶ月は海外に送り込む


東芝

イノベーション・リーダー研修>

・幹部候補を海外のビジネススクールで1週間研究させる講義は英語で行われる
・海外子会社トップの45人はすでに外国人


いかがでしょう。各社それぞれグローバル化をしなければいけないと考えているのは伝わってきます。また、将来幹部になろうという人は英語力がないと務まらないのもわかります。


でも、これらはみんな、日本人の社員を鍛えてグローバル対応できるようにしようということが中心で、本当の意味でのグローバル化ができないような気がします。


一方、外国人を積極的に雇用していこうという企業もあります。


○ローソン

<2011年入社予定60人中20人が外国人>

モノカルチャーから多様性重視に転換
・日本人と日本語で仕事をしたい人を採用
・外国人社員を特別扱いしないが、配慮はする

ここは、外国人を活用しようとの気持ちは伝わってきますが、あくまでも日本語を話す外国人、ということでかなり限定的です。


旭硝子

<グローバルカンパニー制

・ガラスカンパニーの本部はべルギーブリュッセル
・ガラスカンパニーの社内文書はすべて英語
・欧州と日本の間で人材交流活発化
・日本的・主観的な能力主義から客観的な職務給へ移行
・ダイナミック・リーダーシップ・セッション(DLS)というグローバル人材育成プログラムの実施
  将来の経営幹部育成、スイスのビジネススクールIMDで1週間の研修。参加者の半数は外国人


ここまで来るとだいぶグローバル企業的になっています。


パナソニック

パナソニック・グローバル・エグゼクティブ>

・新卒採用の8割を海外で実施
・幹部ポストの位置づけをグローバルで統一
・国を超えた人材登用をグローバルに推進する


パナソニックの特徴は、急激に外国での採用を増やしている事、そして日本人も外国人も同じ人事制度に載せようとしている事ではないでしょうか。


これらの企業の事例を見ていると、日本の企業が進展するグローバル化になんとか対応しようと、いろいろ試しているのがわかります。


では、海外のグローバル企業はどんな感じなのでしょうか?

世界180カ国で洗剤や家庭用品を販売し、13万5千人の社員を擁するグローバル企業P&Gを見てみましょう。

まず、P&Gの社員の国籍は140カ国にのぼるといい、地域別に見ると下記のような分布になる。

北米     39%
ヨーロッパ 34%
アジア 16%
ラテンアメリカ11%

もともと米国企業ですが、米国人は3割程度しかいないのが分かります。そして経営陣も4割が米国人以外とのこと。

日本法人のP&Gも11%が外国籍で、人事部門のトップは、日本語を話せない韓国人のソン・ドンオン氏。

彼のキャリアを見ると、韓国で入社。7ヶ月後、研修のため日本の工場に派遣され1年間過ごし、その後韓国の工場建設に携わる。入社4年目、中国に世界最大規模の工場建設に手を上げ、そのノウハウを身につけるため米国に3ヶ月派遣。その後、韓国で勤務後、現職についています。


P&Gでの海外赴任は通常2〜3年。海外赴任の目的は、グローバル規模で情報や経験を共有し、人材を育てることにあるといいます。
P&G現地法人が80カ国以上にあるため、その国に精通している現地社員を活用するのが基本とのこと。


このP&Gと比べると、先程上げた日本企業のほとんどがグローバル化ではまだまだというのがわかります。


今のままでは、少子高齢化で日本の市場がどんどん縮んで行くのが避けられないのは今まで見てきたとおりです。そして、日本の企業としては、そのような縮小していく市場にしがみついていくのでは、右肩下がりになってしまいます。今後も発展していくためには企業としてグローバル化し、世界で勝負をしていかなければならない、しかも輸出ではなく世界で活動していかなければなりません。
その場合、どのような組織、形態の企業を目指したらいいのでしょうか?

もし、IT関連であったならばアップルのように新しい価値の創造し、その価値の企画、デザイン、プラットフォーム作りをしていくのが目指す方向であり、インターネット関連以外の製造業であれば、P&Gが一つの目指すべき形態であるといえるでしょう。

日本の会社だけれども活動の範囲は世界中になり、社員の国籍も世界中になる。

今も世界中で活躍している会社はありますが、今の日本の会社の場合、いかに世界に展開していても意思決定するのは日本にある本社で、日本人の社員と海外で採用した外国人では人事制度が違う。
海外の現地法人のトップは数年毎に日本の本社か出向してきて、しばらくすると日本に帰って、また別の日本人がやってくる。
こんな感じの会社が多いのが現状です。

これを逆の立場から考えてみましょう。
日本にある外資系企業に入っても、常にトップは本国からやってきて、2、3年もすればまた別の人がやってくる。日本の法人のトップになることもまず不可能で、本体のエグゼクティブボードメンバーになることなど考えられないとしたら、意欲的で優秀な人材は入らないでしょう。


つまり世界中で活躍していくためには、世界中の人材を将来の幹部候補生として、採用して、育成していかなければなりません。

そのために必要な施策を上げてみると、

・それぞれの国毎に現地の優秀な人材を幹部候補生として採用する
・その時の処遇は世界のエクセレントカンパニーと同じような水準にする
・日本人に対する人事制度も外国人と同じものにする
・企業として目指すべきミッション、価値観を世界中で統一し浸透させる
・社内の情報を世界で共有する
 →社内の公用語を英語で統一する
 →社内の会議や社内文書も英語にする

結局グローバル企業にするためには、ここまでしないとならないと言う事です。


なにか遠くの世界のことと感じる人も多いと思いますが、パナソニックなどは海外採用を8割にするというのですから、ここまでしないと生き残っていけないという危機感を感じているでしょう。

あるいは、先週ご紹介した楽天はさらに強い危機感を持っているかもしれません。

でも、パナソニック楽天にしても、本当のグローバル化企業になるまでにはまだまだ長い道のりが控えています。

まず、パナソニックは900人近い採用を海外でしますが、世界の一流の人材が取れないのは、先週の三菱化学のケースで見たとおりです。

また、採用された900人もの人材を受け入れる上司にも問題があるでしょう。まず英語力があるかどうか。仮に英語力は問題なかったとしても、今まで外国人を使ったことがない上司がたくさんいるでしょうから、労働に関する価値観の衝突が起こります。
その時、日本の企業なんだから日本のやり方に従えというような対応をする上司が出てくるでしょうが、そうすれば、結局皆やめていくことになるでしょう。

つまり、パナソニック楽天のように危機感を持って動き出したとしても、日本企業が本当にグローバル化出来るまでには、何年もの時間がかかるのです。

このことに、韓国企業はいち早く気がついて、日本企業よりもはるかに早く取り組んでいます。

例えば、世界の市場でソニーパナソニックを打ち負かし、ブランド価値でも上回るサムスン電子の現在の外国人社員比率は46%で、2020年までに65%まで引き上げようとしています。そしてこれはP&Gアメリカ人比率と同程度といえます。


したがって、企業としたら、今すぐにでも日本人社員の英語力の強化、そして外国人社員の採用にとりかからなければ、気がついたらグローバルな競争の中で、韓国、台湾、中国企業などに追い越され取り残されてしまうということを早く気が付き、行動を開始しなければなりません。

あなたはこの変化をどのように捉えますか?
大変だと思いますか?

まあ大変であることには間違いありませんが、でも別の側面から見ると凄いチャンスだと捉えることができます。

なぜなら、今日本全体がこれだけ大きな変化に直面し、すべての企業がグローバル化に取り組まなければならないという方向性がはっきりしているのです。しかも、すべての企業が必要としているグローバル人材が、ほとんどすべての企業で不足しているのです。

あなたが、いち早く英語力をつけ、外国人との交流をし、グローバルマインドを身につけることができたら、かなり多くの企業から必要とされる人材になれるのです。

しかも、英語をせっかく身につけたのに、英語が必要のない世の中になってしまったという変化が起こる可能性はゼロだと言えます。

こんなチャンスはめったに転がっていません。

簿記をならったり、ファイナンシャルプランナー社会保険労務士の資格をとろうと努力する人はたくさんいらっしゃいます。それらの資格を手にするとしたら、それなりのお金と時間をかけ、努力をしてやっと手に入れることのできる資格だと思います。
しかしそれらの資格をとったとしても、それらを必要とされる職場は限られています。せっかくの資格を活かせない職場で働くことになることも多いでしょう。

でも、英語を使うことができるようになり、グローバル人材になったら、あらゆる企業から引く手あまたになるのです。

たとえば、DCECのラーナーのSさん。彼女は大手企業に勤めていましたが、退職して半年間自由に過ごしていました。でも、その後半の期間、英語力をつけ仕事に活かそうとDCECに入ってこられました。

DCECでは週3回通って3ヶ月間頑張りました。

そしてこわごわ再就職活動を始めたところ、この不況の中、次々と内定を獲得し、その中から一番希望の仕事ができそうな会社を選んで働き出しています。

すると早速ヨーロッパのデザイナーと連絡を取り打ち合わせをしながらすすめるような仕事を任され、また、その他にも次々と責任ある仕事が任されるようになっているようです。

もちろん大変には違いがありませんが、自分が希望をしていた仕事でしかも責任を与えられるということで、充実したキャリアをスタートされたと言えるでしょう。

英語力はといえば、もちろん3ヶ月で充分というわけには行かないので現在も継続されていらっしゃいますが、英語の学習を楽しんでいらっしゃいます。

そしてここで取り上げたような転職ばかりでなく、DCECのラーナーさんの中には、ここ半年くらいの期間だけでも、英語力をつけ自分の希望で、アメリカ子会社のトップに転勤した人、スイスの管理責任者に転勤した人、出世コースで、日本人は一人しかいないアメリカのオフィスに転勤した人など英語力で自分の夢をかなえている人がたくさんいらっしゃいます。

どうですか?
きっとあなたもグローバル化に対応すれば、大きなチャンスが転がっています。
でも、このチャンスもここ数年に限られます。英語力をつける事に関し、ここ数年で一気に広がるいわゆるクリティカルポイントに到達すると思われます。

そうしたら、これから卒業してくる人を中心に英語力を身につけている人が急激に増え、稀少価値はなくなってしまいます。


これから半年間、英語力をつけることを最優先で頑張ってみませんか?