日本が世界から遅れていく、大学を取り巻く環境

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■日本が世界から遅れていく、大学を取り巻く環境



ここに二つの記事があります。
一つは、充実した環境で猛勉強に励むアメリカの一流大学の様子を
記した田村耕太郎氏の記事。


アメリカの大学生たちが必死に勉強する理由(その1)
全寮制が勉強を後押しする!
田村耕太郎
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/16151



一方の一つは、日本の最高学府、東大生の実態を描いた記事。


「東大までの人」と「東大からの人」
〔受験生必読〕入ってみるとよくわかる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/172



この二つを読み比べると日本の将来に不安を覚えること間違いあり
ません。

さすがに日本最高の大学なので天才的に優秀な人がいることも書か
れていてそのような人は「東大からの人」として問題が無い。
問題は「東大までの人」のようです。


アメリカの大学生が必死で勉強しているのに対して、日本では東大
ですら理科系の学生は博士課程に進まず文科系の学生は麻雀に明け
暮れている。


そして、そのような環境を生んでいるのは東大のせいではなく、日
本の社会であることがこの記事を読むとわかります。

たとえば理科系。


「博士課程に進むのは、学部や学科によりますが、平均して2割か
それ以下ではないでしょうか。博士課程を終えても、国立大学の独
行政法人化でコストカットを余儀なくされ、若手の研究職ほど大
幅にポストを削減されているからです。」(記事からの引用)


すなわち、博士課程に進んでも大学にはポストが無い。では企業で
はどうか?

日本企業ではまだまだ「博士号を持った人材は使いにくい」との雰
囲気が強いため博士過程を終えても就職に苦労するため、結局修士
以上には進まないのです。


ところが世界の企業では正反対に博士の待遇は学部卒とは比べ物に
ならないぐらい高給、高待遇なのです。

DCECのガヴァネスの友達達の話しを聞いていると30歳そこそこの女
性でも博士だと海外出張時に日本の会社の部長でも泊れない様な高
級ホテルに宿泊しています。


そんなに違う待遇が得られるのならと、大学の博士課程で学ぶイン
センティブは相当強いものがあります。



更にひどいのが文科系でしょう。

この記事に東大経済学部2年の学生の例が出てきます。


「入学当初は積極的に授業に出ていましたが、ある日、世界金融危機
の構造について他大学の友達に説明していたら『難しい話をするな』
と言われたんです。あげくに『お前は勉強ばっかりして、偉くなって、
庶民感覚をなくしていくんだろう』と憐(あわ)れむような目で見ら
れた。その時、勉強している東大生は嫌われると気づいて、『それな
ら、勉強はやめよう』と。いまは週に一度も授業に出ないで、毎日、
友達と麻雀ばかりしています」


「成人式で地元に帰った時、久しぶりに会った友達から『東大生とは
会話が合わないから』と敬遠されたんです。勉強より友達が大事だか
ら、東大生に見られないよう、まず学校に行かないことにした。バイ
トも東大生らしい家庭教師や企業のインターンなどではなく、工事現
場で日雇いの力仕事をやっています。もちろんバイト先で大学名を聞
かれた時は、『早稲田です』と名乗る。そんなことばかりしているせ
いか、結局、2年も留年しています。今年卒業して、しばらくはフリー
ターをやりながら、夢を探したい」(記事からの引用)


要するに、日本の社会ではまじめに勉強をすると馬鹿にしたり仲間は
ずれにしたりとの雰囲気が残っているのです。

逆に東大や京大を出たのにお笑い芸人になったような人をもてはやす
風潮があります。そのような日本の雰囲気が日本の学生の劣化を招い
ているのではないでしょうか?


その結果、日本人の仲間内だけでは勉強しないで仲間はずれにされな
い心地良さがある一方で世界の中では落ちこぼれて行っているのです。


それは、DCECに応募してくる外国人たちと話をしていてしょっちゅう
感じることです。

ある時ヨーロッパからきた応募者と話をしていると彼女は
「日本にあこがれて来て、日本でPhDまで取ろうと思っていましたが
もうやめました。だって、日本人の学生達と話をしていても、欧州の
ことも世界の経済のことも何を話しても知らないで、身の回りのこと
しか関心が無いので幻滅した」と言っていました。

また今月話した博士課程で学んでいる学生に、研究室にはどのくらい
日本人がいるのか聞いたら、一人もいないとのこと。アジアや世界中
の学生がいて、教官も外国人が多い中、日本人は英語が話せる教授
一人だけとのことで、どこの国の大学のことを話しているのかと思う
ような現状でした。



世界で競争していかなくてはならなくなった現在、今の日本を覆って
いるまじめに勉強するよりも「東大生らしからぬ」人の方がかっこい
いと言うような雰囲気を払拭していくことから始めていかなければな
らないのかもしれません。







■今週の注目Blog&記事



***
東電と経産省、東大、マスコミの癒着構造を暴き出している衝撃の
内容。このような内容が海外のメディアで報道されても日本では、
ネット上にしか現れない事が、この記事の信憑性を高めていると
いえるのではないでしょうか?

●「シュピーゲル」誌(2011年5月23日号) 「原子力国家」日本語訳
上杉隆ブログ
http://uesugitakashi.com/?p=917



●スクープレポート
メディア 最大のタブー 東電マネーと 朝日新聞
現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/16494




●東電、15m超の津波も予測…想定外主張崩れる
YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110824-OYT1T00991.htm?ref=mag




***
スペインの新聞EL MUNDOに掲載されていた日本の原発作業員の実態
こんな労働者を必要とする原発を使い続けるのでしょうか?

●調査報告/原子力発電所における秘密 日本の原発奴隷
http://www.jca.apc.org/mihama/rosai/elmundo030608.htm



***
こんなに問題だらけの原発。日本の惨状を見て、イタリアやドイツ
など他国が脱原発を決める中、なぜか当事国の日本だけは原発推進
今の日本。ちょっとおかしくなっているのではないでしょうか?



泊原発3号機、営業運転に移行―
―世界のどの国よりも早く原発再開に踏み出した「事故当事国」日本
DIAMOND online 週刊上杉隆
http://diamond.jp/articles/-/13612



***
マスコミがいう人気ナンバーワンの前原前外相。
しかし、一方前原前外相が首相になったら日本が潰れると言う意
見も相当数見られます。



●前原は“腐りかけの饅頭”だ! 野田にも劣る適性「30点」

前原誠司前外相は松下政経塾出身として有名ですが、松下幸之助
の秘書を務め、同塾創立の立役者でもある、みんなの党江口克彦
参院議員(71)が、前原氏の実像を語り、民主党や国民に警鐘を
鳴らした。
zakzak
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110825/plt1108251603002-n1.htm



●「戦犯」たちによる代表選が始まる
菅内閣の閣僚たちに首相の資格はない
DIAMOND online 週刊上杉隆
http://diamond.jp/articles/-/13710


●小沢批判を18年続ける日本メディアをオランダの大学教授批判
(NEWSポストセブン)
[http://bit.ly/nkXBGL:title=http://bit.ly/nkXBGL
]

●小沢よ、いまこそ日本を救え
THE JOURNAL 二見伸明の「誇り高き自由人として」
http://www.the-journal.jp/contents/futami/2011/08/post_40.html




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